桃園川-1（源流部）
荻窪天沼弁天池から阿佐ヶ谷まで
桃園川は神田川の支流で、源流は荻窪の天沼弁天池。全ルートが暗渠化され本流部分の大半が緑道となっている。特に阿佐ヶ谷でJR中央本線を超えた所から神田川合流まで、「桃園川緑道」としてきれいに整備されている。
桃園川緑道だけ取っても約5キロ弱、これだけの長さでこれだけ整備された暗渠緑道は東京でも珍しい。
網の目の水路網
桃園川は、特に阿佐ヶ谷周辺で水路が網の目のように入り組み、暗渠の迷宮となっている。今でも歩いていてその全体像をつかむのは困難。おそらくそれは桃園川が水田の灌漑用水として使われていた為だろう。
桃園川流域は低地が帯状に広がり、大正まで稲作が行われていたそうで、桃園川はその貴重な灌漑用水だった。灌漑用水路はそこに広がる水田にまんべんなく水を供給しなくてはならず、否応なく網の目の水路が張り巡らされることになる。その跡が今に残る「暗渠の迷宮」となっているのだろう。
源流天沼弁天池と千川上水からの助水
水源となっていた天沼弁天池は既に湧水が枯渇し、現在は公園となっている敷地の片隅に人工池があるのみとなっている。
下掲地形図を見ても分かる通り、弁天池周辺はそれ程際立った谷地と言う訳ではない。おそらく湧水量にも限りが有ったのだろうし、周辺の都市化と共に枯れるのも無理はなかったのだろう。
この弁天池からの湧水だけでは流域の水田用水を賄えず、1707（宝永4）年、千川用水から「六ヶ村分水」と呼ばれる水路を切り助水を得ていたそうだ。工事人力者の名前を取り、半兵衛・相沢堀とも呼ぶ。
地形図
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撮影Map
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JR中央本線荻窪駅北口
写真後ろに青梅街道が斜めに走っていて、この400メートル程左（新宿側）で中央本線をくぐる。
六ヶ村分水、追分
荻窪駅北側の青梅街道。六ヶ村分水は青梅街道に沿って流れ、ここより上流が「半兵衛堀」下流が「相沢堀」となる。ここはその追分。
相沢堀はこのまま青梅街道に沿って右（南東）に2キロメートル程流れ、中杉通りがぶつかる杉並区役所辺りで、後に掘られた天保新堀用水に合流・助水する。
今回辿るコースは、この追分地点から北に向かって住宅街に切れ込んでいる。
住宅街を縫って進む、暗渠道。
天沼弁天池公園からの暗渠道
緑道に、天沼弁天池公園からの暗渠道が北側から入り込んでくる。
天沼弁天池公園
弁天池
桃園川の水源となった弁天池。天沼・瓢箪池などとも呼ばれていたらしく、この地の地名「天沼」の由来ともなった。広さ約300坪。
しかし現在湧水は枯渇。これは人工的に作られたもので、元々の弁天池とは関係ない。
1975年（昭和50年）に天沼八幡神社が改築される際、弁財天を八幡神社境内に移設した上で、社地は西武鉄道に売却された。湧水は埋め立てられ、「ゴルフ研修所」と称して当時西武鉄道会長であった堤義明と関係女性宅が建った。その後会社の株式上場廃止に伴って2004年に杉並区に売却され、2007年(平成19年)に区立の天沼弁天池公園として整備された。この公園内にある池はこのときの公園造成で造られた人造池であり、本来の池とは異なり湧水はない。
Wikipedia より転載
弁天池公園側からの合流地点
暗渠・緑道が続く
支流か、分水路か？
阿佐ヶ谷区内に入り、至る所にかっての水路と思しき脇道が繋がる。
中杉通り
阿佐ヶ谷駅脇を南北に走る中杉通り。桃園川暗渠はこの先も続くのだが、この周辺、暗渠道が入り組みどれが本流やら支流やら、そのつながり具合さえも定かには分からなくなる。
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