【ウバユリの花】・・・2004 年7月18日、知床・羅臼にて(爽やかな香りも素敵だった)
※ 後にボケて写っているピンクの花はオニシモツケ(シモツケソウよりかなり大きい)
私が初めてこの花に興味を持ったのはこの、写真を撮影した時からだった。
以来、これから梅雨明け1ヶ月位迄の期間に自然に分け入る時は、必ずこの【ウバユリ】の花を
探して歩く事となった。
まずは知らない人も案外多い様なので、
【姥百合(ウバユリ)】についての概要 ・・以下【ウバユリ】とする
※ 植物学的な基礎知識については省略:詳しくはNET検索や山野草図鑑をご覧下さい。
◆ 自生環境 ・・・・ 主に山間地の里山境界地で、木漏れ日の入る杉林やナラ・クヌギ等の
雑木林と自然な小川等の水際周辺を好む様です。
◆ 種類 ・・・・・・ 分類上は【ウバユリ】と【オオウバユリ】に分かれるが、背丈が1m
位で分けられる小振りのものを【ウバユリ】と言い、主に中部以南に
自生と言われる。
(実際、岡山県でニッコウキスゲ程度のウバユリの花を見た事がある)
標高の高い中部山岳地域から緯度の高い東北・北海道には1.5m以上
の物が多く、2m以上も少なくない。 その為これを【オオウバユリ】
と呼んでいる。(私たちの故郷に咲く花も、オオウバユリとだ思う)
しかし厳密には生育環境に依る差であろうと考えられ、外観や花の形
状などの相異点を見分ける事は難しい。(遺伝子レベルの話は?)
そこで本稿では便宜上、以降を【ウバユリ】に統一してすすめます。
◆ 花期 ・・・・・・ 開花の季節は、およそ『6月中旬~8月中旬』頃、ただし各地域別で
考えると『梅雨末期から約1ヶ月』位と考えると良いでしょう。
花は【下の蕾から順次上の蕾へ】と咲き登るものと、逆に【上から下
へと咲き降りる】ものがある様だ。
初年度の開花は1~2輪、次の年から3~5~10輪~と増え 一般的
には20~30輪位咲くと根球迄枯れるらしい。
例外として、100輪位の花を付け、4~5m位の背丈に延びる
事もある様で、ネット上でも写真が掲載されて居た。
また土壌や気温・湿度・日照時間等で、花数や開花時期・期間が変る
らしく、同じ様な大きさの株でも開花数が変る事がある。
なお、同じ年に蒔かれた種も発芽に数年掛るものや、発芽して最初の
開花迄3~5年位かかると聞くが、正確な所は不明。
◆ 【ウバユリ】の成長画像 (ネット画像引用で構成)・・・・・ 芽吹き~開花~実~種へ
※ 芽吹き 種から発芽したばかりの1~2年ものは除外、花芽となるものは葉が複数枚
出て、この様に巻いた形で芽吹きをする。(発芽数年後から巻く)
【ウバユリの郷】・・・越後:八海山の山懐(ふところ)
前置きが長くなりましたが、その【ウバユリ】が今年は我等の故郷で豊作(?)の様だ。
冒頭で触れた様に 2004年にウバユリの花に興味を持ってから、我等の故郷の【ウバユリ】
について生育の実態を3~5年に一度は調べて見ていた。
特に故郷の山 “八海山” 里宮(城内口)の森に焦点を当て、毎回調べていたが、4年前に調べ
た時迄、咲きそうな【ウバユリ】又は咲いたと思われる【ウバユリの実】は多い年でも、森
全体で 7~8本程度しか確認出来なかった。(葉は見掛けるが、花はめったに見掛けない)
所が、今年5月23日 予定外のスケジュールだったが、ごく調べやすい里宮・社殿周辺と前の
杉林エリアを調べて驚いた、少なくとも 20~30株位 花を付けそうな【ウバユリの株】が
確認出来た のである。(まだ花芽は立ち上がっていなかったが・・・)
たったこれだけのエリアに、これ程の株数が見付かったと言う事は、似た様な環境の地域を調
べたら、更に多くの【ウバユリ】密生地が見付かる事と思う。
まさに、【ウバユリの郷】と言っても過言ではないと思われる状況でしょう。
ただ、【ウバユリ】は “山菜” としてや “華道の素材” 等としてなどの為に乱獲
される懸念もあり、投稿に躊躇を覚えて居たが、管理の仕方によっては観光ィ
ベントの好材料としても故郷の役に立つものと思い『保護』を検討して欲しい
気がする。
もし何も『保護』をしなければ、2~3年で花は見られなくなるでしょう。
◆ 地理的イメージ
【参考 1】 「霊峰・八海山」(登山案内板より)・・・越後三山のひとつ
【参考 2】 「八海山・里宮周辺地図」Google Map より
【参考 3】 「里宮周辺拡大版」〇印のエリアが今回の調査エリア
◆ 調査結果
正確には確認数を数えていなかったが、花が咲くと思われる株が20本は確認済で、
細かくチェックすれば最低でも30本以上が有りそうだった。
以下【参考 4】に代表的な場所の株を写して見ました。
【参考 4】 「八海山・里宮」の森周辺の代表的【ウバユリの株】
もう一つの【ウバユリの郷】
・・・・【長森山】裾野、登山道沿い小川の両岸
ここは今年、偶然見つけた場所ですが、調査と言う程調べて無いが登山道の沿道と
小川の両岸を眺めて歩いただけで20本位が咲きそうで、対岸の林の中にも何本かが
確認出来た。(多分これからも大きくなる株が増えるでしょう)
【事例 5】 【長森山】裾野・小川沿いに自生する【ウバユリの株】事例
◆ Map
そう、ここは清酒「八海山」の 蔵元【八海醸造】が経営する【雪室】の隣接地
画面右側、黒い屋根の工場が【八海醸造・魚沼の里】。
※ この写真は雪室の施設内から五日町スキー場方向
(写真右、黄色い屋根の向うの森が【ウバユリ】群生地)
正面の山に広がるゲレンデが「五日町スキー場」、ゲレンデ中央の 白い建物 が
スキー場のレストハウス。
その レストハウスからのライブカメラ がこちら(八海山)を向いて、24時間
稼働している。
これは「インディーテクノロジー」と言う地元の企業が運営する【ゆきぐに
ネット】のサイトで【八海山】に向けての定点ライブがネット公開されている。
【八海山ライブ】例 A (2016-12-01 10:00AM)
【八海山ライブ】例 B (2016-12-24 10:00AM)
※ お気付きですか? (上に掲載の2枚の写真の共通点について)
そう、「撮影月が同じ:昨年12月」「撮影時間が同じ:午前10時」そして「画面
右側山裾の同じ位置から同時に煙が登っている」事。
これは、この2本の煙り(水蒸気と思われる)が登っている場所のイメージを持っ
て頂くと、次の Map の理解がし易いのではないかと思います。
この2本の水蒸気煙は【清酒・八海山】等を醸造する為の仕込みの煙りとの事で、
【八海醸造(株)】の下記 2つの工場からの煙りです。
☆ 中央寄りの煙り・・・・・八海j醸造(株) 魚沼の里(工場)
☆ 右端山裾先端の煙り・・・八海醸造(株) 本社工場
毎年、12月から1月にかけてはお酒の仕込みで毎朝大量の炊飯をするのでこの様な
煙り(蒸気煙)が決まった時間に出るらしい。 (杜氏さん達の一番忙しい時期)
※ 参考用に、2本の煙りの位置と五日町スキー場とを直線で結んでみました
話を【ウバユリ】に戻しましょう。
今回【第2のウバユリの郷】とした場所のイメージは、上記 【八海醸造関連 Map】
の【八海醸造・魚沼の里】の北側、「長森山」登山道 がその場所にあたる。
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