柏崎刈羽原発も再稼働へ? 【1】

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鹿児島の「川内原発」は再稼働、いよいよ商業運転に入った。


予想された事とは言え「安保関連法」国会で足踏みして居た「原発再稼働」の流れが近く再浮上する事は間違いない。
恐らく今の政治体制が大きく変わらない限り、原発推進派に追い風が吹くのは間違いないと思う。

私は原発と言う手法そのものには、全否定派では無い。(エネルギー政策のひとつとしては有りだと思う)

ただ、

  ① 1基当たりを巨大化してしまった為、リスクも巨大化した現行原発での再稼働
  ②  使用済燃料(核廃棄物)処理問題をなおざりにしたまゝの再稼働


には、明確に反対する立場である。
 

そう言う観点から見た現状の「柏崎刈羽原発」は規模の上で、日本でも1・2を争う原発で、首都圏電力の供給原を目指して作られた施設、この巨大化した施設では、東日本大震災クラスの地震・津波の再来に耐えられると言う保証は疑わしい。

   ◆ 柏崎刈羽原子力発電所 (google Map より) 
柏崎原発.JPG

   ◆ 柏崎刈羽原発から30km 圏エリア 概略(目安)
柏崎原発MAP 1A.jpg

  (講談社発行ブルーブックシリーズ「日本の原子力施設全データ」(2012-2-20版)より)


福島の原発でも、計算上は安全だったはず・・・想定外の規模の災害と言うが、過去の歴史では貞観地震(869年:平安時代)と言う震源地も地震の規模・津波の規模も東日本大震災に非常に似ている地震が記録や被害地の調査結果等で実際に起きていた事が知られていた。にも係わらず、原発設置に当って調査・分析した形跡が無いとの指摘もある。
   (もしそうだとすれば、「想定外の災害・・・」の言い訳は論外であろう)

地下水脈が縦横に走る土地に現在の様な巨大な施設を作るのでは、いくら耐震規格を満足させたからと言っても所詮人間の考えた想定内のもの、制御不能・想定外の事態になっても他の方法で速やかに安全対処出来る大きさ・規模に絞る必要がある。
“福島の事故”はその現実を、様々な現象で見せつけている。

事故のトリガーは【地震】と【津波】であるが、それ以降の問題は人為的に予防できる現象。
【福島に見るこれからの原発設置で考えるべき主な問題点】は、例えば

  ・ メルトダウン対策  ・・1基辺りの燃料が多すぎて炉底を突き破る現象が出た。
                 本来なら有ってはならない現象、対策が軟弱だった。
                (想定外と言うにはあまりにもリスクが大き過ぎる)

  ・ 冷却(汚染)水漏れ・・・施設が巨大化する程パイプの総延長が延び、長さに比例
                して、冷却水漏れのリスクは増大する。

  ・ 地下水脈への汚染水漏れ・・・これについては過去の教訓・想定がなかったのか?
             ・・・そもそも、原発設置検討時に地下水脈の把握をして置く
                べき事と、万一の為の対策を施して置くべき事が教訓。

  ・ 施設が巨大   ・・・大きくなる程、耐震構造・事故対応が難しくなる

  ・ 汚染物質拡散情報のリアルタイムな公開
             ・・・季節風と近隣都市への拡散情報が後手後手で不審を買った

  ・ 広範に汚染レベルの高い汚染物質を撒き散らした結果
             ・・・故郷を離れざるを得ない人々、汚染風評被害で喘ぐ農林魚業、
                未だ先の見えない被災者達は、津波の被害の何倍も重荷を背
                負わせられているのが現状と言える。

 

もしも【柏崎刈羽原発】で  真冬に【福島原発】相当の事故が起きた場合


 【積雪が福島の被災地の数倍の「上越・中越」を中心に季節風に乗った汚染物質が撒き散らされる】
 事が想定される。(魚沼市・南魚沼市も、間違いなく被災地域になるでしょう)

     厚い積雪に降り積もった汚染物質は、春先に濃縮されて地域一帯に流れ出す。
     これは福島の被害とは異なり、より甚大な被害が推測出来る。


悪い事に越後山脈で上昇した雪雲が、上・中越に折り返して雪となって降る事から、この地域へは汚染物質が二重に降り積もる事になり、単純に30km 以上離れて居れば安全・・・なんて論理は成り立たない事を知って置く必要がある。
また、雪道の避難行動も、福島のケースと違い秩序ある避難が出来れば別だが現実には困難を極める事が予想される。
 

そんなワーストケースを考えると、今のまゝの【柏崎刈羽原発】再稼働  は、数十万人以上の人生を苦境に落し入れ、莫大な負債を負うリスク が有る事を考えなければならない。
 

私の考える原発は、【人間が容易に制御できる範囲の小型化が望ましい】と考えており、1,000戸~10,000戸単位程度の規模の電源供給を基本として原発を分散して作るのであれば耐震構造も津波や地震対策が取り易いはずである。
更に、最悪の場合でも様々なリスクをより小さい範囲に収める事が出来るでしょう。

複雑にプレートのぶつかり合う日本の大地には  揺れても 安全・【コンパクトな原発】こそが必要と、思っている。

現実に、原子力潜水艦や人工衛星で小型原子炉を稼働して制御も殆んど問題無く運用されている実績がある。
従って、技術的には実現可能な話である。勿論、建設コストなど巨大な物を1基作るのと、小さな物を多数作るのでは、合計は大きな物1基の方が安いかも知れないが、事故・災害に対するリスクと安全性では極めて有利になるはずで、数多く設置する必要があると言う事は、建設コストも低くなる可能性も大きい。
 

② の核廃棄物処理については、やはり政治的に透明性のある処分方法をまとめないと問題が残る

 

しかし、今のまゝだと必ず、現状設備の早期再稼働の次なるターゲットとして急浮上するだろう。

その際、原発再稼働の是非を問う論議が、今国会の「安保関連法案」の様に、満足な安全検討も無く数の論理でゴリ押しされない様に、今から備えて置く必要があると思う。

 

政治的な事については他の人にお任せするとして、次回からは「地盤」「地形」の観点から現状の【柏崎刈羽原発の安全性】を再確認して見よう!

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このページは、久が2015年9月22日 00:19に書いたブログ記事です。

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