桜前線がまもなく津軽海峡を越えようと言う今日5月1日、今年のゴールデン・ウイーク(GW)も中盤にさしかゝりました。
そろそろ 「次は何処に行こうか?」 なんて考え初めている 「アナタ」 、 GWは何処へ行っても混雑するから 、「少し日程をずらせてゆっくり自然を楽しめる所は無いかしら?」 なんて 「貴女」 、「GWの出費が重なってるからリーズナブルな穴場」 をお探しの 「貴方」 。
知られている様で以外に知らない人の多い 「花の山」 が身近にあります。 谷川連峰の一角 【天神平スキー場周辺】 です。
今から5月中旬位までは、まだ春スキーが可能な状況と思うが、5月下旬頃から雪解けの斜面から順にカタクリやショウジョウバカマ・イワカガミ・イワウチワ・イワイチョウ~シラネアオイなどが競って花を開き、夏はシモツケソウやニッコウキスゲ、秋は紅葉と、楽しめて天神峠からの眺望も素晴らしい。
そんな所が関東圏から電車とロープウエイ及びリフトで楽に日帰り可能なエリアなのである。
(新潟方面からなら車で十分日帰りエリア、ただ、ロープウエイ周辺の渋滞は同条件です)
≪勿論、関東エリアから車でも日帰り可能距離だが≫
土日・祝祭日やシラネアオイやシモツケソウの最盛期は駐車場の渋滞や首都圏の出入りでの渋滞で、通常の走行時間プラス4~5時間の余裕を見る必要がありますのでスケジュールにはご注意下さい。
※ 前夜発で途中又は現地で時間調整し、早めにロープウエイで上に登り、午後3時頃
には関越に乗っている位でないと、大渋滞に巻き込まれる事は確実。
渋滞は焦りに つながり、焦りはトラブルや事故につながります。
※ 旅のスケジュールには思い出を壊さない為の余裕も大切なファクターです。
それでは本題、【谷川連峰・天神平】の話に、今回は春、特に雪解け直後から初夏にかけての花々を楽しむ内容で紹介しましょう。また、このシーズンは平日でも込み合う事が多いので、電車利用を前提にスタートしましょう。
上越線 「土合(どあい)駅」
昭和の世代(特に団塊前後の世代)には、青春時代の思い出深い人の多い駅ではないだろうか?
そう、谷川連峰・登山や一ノ倉沢・ロッククライミングなどでは最もポピュラーな起点駅。
そして、ここ「土合駅」の前を通る道が、歴史を遡ればかの上杉謙信が大軍を率いて関東出兵で何度も往復した、越後と関東を結ぶ重要な交通路だった事は意外と知られていない様だ。
♦ 土合駅・駅舎と、土合橋からの水上方面(上り線)・トチの花が真っ盛りだった (撮影 6/10)
土合駅は知る人ぞ知る、上りは地上駅で駅舎も地上なのですが下りはトンネルの中、それもただのトンネルじゃない上りと下りのホーム標高差が30~40m近くある。 ビルの16~20階位かな? 改札口まで265段もある階段を登らなければならない。
首都圏から来られる人に取っては、地上までの第一の洗礼です。
多分今もエスカレーターやエレベーターなど無いだろうから、階段を登るしかない訳ですが、準備運動と思い無理せずゆっくり登れば、後の行動が楽になりますよ!
(恐らく谷川岳に登るので無ければ、この階段が一番キツイ登りでしょうから)
上越新幹線利用の場合は、「上毛高原駅」 からバスやタクシーが便利で、ロープウエイ駅まで直接行く事が出来ます。
こゝでは 「土合駅」 から 「上杉謙信も往復した道」を辿って ロープウエイ駅まで歩く事にします。
♦ 付近の地図 (友人から教えて貰ったソフト “カシミール” からの地図抜粋)
土合駅前の道を右に登って行くと、踏切を渡り、再び在来線を跨ぐ橋が 「土合橋」。
明治期にこゝから「新道」が清水峠越えで開削され、新潟県の六日町まで抜ける国道に昇格したが、度重なる崖崩れや豪雪・鉄砲水等の災害で修復放棄、三国峠越えの現R17がメインとなったとの歴史を持つ。(ちなみに現R291が清水峠を境に新潟県側と群馬県側で途切れているのはそんな理由かららしい)
≪ちょっと寄り道≫
清水峠付近の風景・・・十数年前のガイドブックか山岳誌からのスクラップ(スキャナーデータ)なので、出版元や撮影者名は不明、著作権侵害の様でしたらご連絡下さい。 削除いたします。
♦ 笠ガ岳方面から下りて来て、清水峠と七つ石小屋山方向を眺めた風景 (右:新潟県側)
私が20代に行った頃に比べて送電管理小屋がだいぶ立派になった気がする
話を戻しましょう、
土合橋から更に道沿いに車道を登ると左側にロープウエイ駅が見えて来る。 土合駅から歩いて20~30分(登り坂の為、個人差が大きい)
ロープウエイ山頂駅付近 (天神平スキー場)
♦ ロープウエイ山頂駅駅を出た所から
左:谷川岳方向 中:正面・白毛門 右:高倉山ゲレンデ (撮影 5/24)
そして、リフトで一気に天神峠まで昇りましょう。
ただし、リフト山頂駅が見えない様な濃霧の時はリフト運営会社の人に上で歩き回っても安全かどうかを確認してから登った方が良いでしょう。
天神峠リフト山頂駅付近はすでに標高・約1,500m、そこは山岳の天候ルールが支配する世界。 天候急変で、濃霧は数分で方向感覚を狂わせる程濃くなる事も有り、山頂の平らな地形やゲレンデの中では間違ったルートに迷い込む可能性があります。 ご注意を!
天神峠
♦ 天神峠の風景 (5/24) 人造の小川にはミズバショウが咲にいていた
※ こゝ、天神峠から天神尾根経由で谷川岳(肩の小屋)まで約2.5~3時間。
ただし、いくら天気が良くても思い付きで軽装のまゝ登る事は危険です。
春の花園 (天神峠稜線からゲレンデ内各所)
山野草初心者は、まず、リフト山頂駅から谷川岳方向に延びる天神尾根からロープウエイ山頂駅方向に踏み跡のある道を、歩いて下りながら花を探して見て下さい。
※ くれぐれも道以外を歩いて花芽を踏まない様にしましょう!
見えている花以外に、夏や秋・次世代の花芽がたくさん地中で出番を待っています。
花はそれぞれの生態によって生えている環境が違いますので、下まで下りる間に色々な種類が観察されると思います。
≪尾根すじから中腹付近≫
♦ 撮影 : 5/24 「シラネアオイ」 と 「谷川岳 (トマの耳&オキの耳)」
♦ 6/10 ハルゼミ (拡大写真はネットより)、ヒメシャガ
ハルゼミは天神尾根西側のダケカンバにとまって鳴いていたもので、すぐに飛び立った為これ一枚しか撮れませんでした。 大きさはヒグラシの 2/3 位。 (ニイニイゼミと同じ位か?)
そのくせ声は山々にコダマする位大きいのだから、自然界は不思議で面白い。
なお、中央のセミの写真はネットで画像を拾ったのですが、綺麗に写っていましたので北海道の方のブログからちょっと拝借させて頂きました。 (私の見た個体より体型が少し大きい様です。北海道の方が大きく育つのかな~?)
≪中腹から下、ロープウエイ山頂駅付近まで≫
他の斜面でも雪解けに伴って同じ様に花が咲く。 上記掲載の写真撮影日は一例で、毎年同じ日程ではありませんが、必ず繰り返される花のサイクル。
平地は初夏、でもここは春爛漫と言えます。
無理の無いスケジュールを作って、
是非一度眺めに行って見ませんか?
出来れば平日に! それなら車が便利かも?
【車利用の場合について】
「駐車場」 事情
最近数年行ってない行ってないので事情が改善しているかも知れないが、ロープウエイ駅周辺で20~30台程度しか無かったと記憶している。 しかも、天神尾根経由で谷川岳登山をする人も居る訳で、回転率も悪い。 従って混雑時はかなりの渋滞を覚悟しなければならない。 休日のこゝには入りたく無いものです。
「マチガ沢」・「一ノ倉沢」 方面 ・・・ 特に紅葉期は人気のコースだが!
一般車は 「一ノ倉沢」 まで入れますが、駐車スペースが極めて少なくあまりお薦めしません。 おまけに 「マチガ沢出会」 と 「一ノ倉沢」 以外ではUターンのスペースも無いので、渋滞で途中で引き返したくも 「順番を待つしか無い」 と言う状況も発生していた。
ちなみに、ロープウエイ駅から 「マチガ沢出会」 まで歩いて約30分、同じく「マチガ沢出会い」から 「一ノ倉沢」 まで歩いておよそ30分。混雑して居る時には片道1時間のハイキングを決め込んだ方が確実で、間違いない。
【参考メモ】
服 装
できれば軽ハイキングスタイルがお薦めです。
靴 : 安全対策
ハイキングシューズの様に靴底が頑丈で滑り止め構造のものがいいでしょう。
(ゲレンデルートを花を探しながら歩くと柔らかいドロ道などもある為)
トレーニングシューズの場合滑り易いので、転倒して切り株などによるケガに注意!
靴下 : 安全対策 ・・・ スラックスの長さとの関係
厚手で、スラックスとの間に素肌が出ない長さの靴下がお薦め。
(切り株や笹・雑木の小枝などで足を傷付けない基本的な工夫)
保温 : 標高1,500mは気候推定が難しいので、用心が第一。
天気予報が曇りなら、夏でもセーターとウインドブレーカー1枚ずつは、ナップザック
に詰めて持って行く事を薦めたい。
Tシャツ1枚で十分と思って登って来たが、上で歩いて居る内に曇って急に風が出て
気温も急激に下がって・・・・・・・と言うパターンはよく有る話。
ウインドブレーカーはホームセンターなどで売っている1,000円以下のもので十分。
ただし、両腕を通せる袖付きの物が良く、安くてもポンチョタイプのものは風に弱い。
帽子 : 紫外線対策も兼ねて曇天でもお薦め。 突然の雨などでも重宝。
傘 : 折りたたみタイプの傘1本、ナップザックに入れて置くと便利。
着替え: 特に、雨に遭った後の体温を取り戻す早道。用心の為の必需品。
≪こぼれ話≫ ・・・ 谷川岳・双耳峰の命名由来
トマの耳 ・・・・ 谷川岳への主要登山ルートを登って来ると最初の頂上がトマの耳。
最初、つまり「入口」の事を「トマ口」とも言う。
この「トマ」が双耳峰の「耳」と合成されて「トマの耳」と命名された
らしい。
オキの耳 ・・・・ 双耳峰のもうひとつのピーク、谷川岳の最高峰はこちら。
海の場合奥の方を表す言葉としてオキ(沖)と言う。
海に似て、天空の奥にある双耳峰のもう一つのピークだからから 「オキ]
がいいだろうと言う事で,耳を付けて「オキの耳」とした、との事。
※ 昔、谷川岳へ誘ってくれた大先輩から聞いた命名由来。真偽のほどは、私も知らない。
広域地図
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