二十四節季では【小満】(しょうまん)と言われる季節、今年の場合は5月21日~6月5日にあたる。
【小満】とは「様々な命(植物や昆虫、動物達)が大地に満ち溢れる季節」、と言う意味だそうである。
その意味の通り【山野草】たちも、この季節、一気に花開く! まさに、【野】に! 【山】に!
恐らく、一年で一番多くの種類の花々が咲き誇り、又は蕾みを膨らませる季節でしょう。
今回は、そんな花々の中で これから(6~7月)見頃を迎える【花の群生地】について関東起点の、
ドライブと言う視点で、代表的な幾つかをピックアップして見ましょう。
(下記、開花期・見頃については、一般的な例年の場合。 地形や気候変動により前後します)
【シラネアオイ】群生地 ・・・ 見頃:5/下~6/中 頃
◆ 春の山野草としては最も良く知られた見応えのある花ですが、
深山に分け入らずに見られる【自然の群生地】は極めて少ない
一体どれぐらいの花が有れば【群生】と言うのだろうか?
多分、此処の【シラネアオイの群落】は、誰が見ても納得出来る群生地であろう!
① 群馬県【野反湖・富士見峠群生地】
◆ 先々週、5月18日(日)の状況 ・・・・・ まだ1週間以上早く、殆んど芽吹き・蕾状況だった
すでに花芽は開き始めていたが、5月18日現在は上記写真の状況、恐らく約2週間後の6月
1日頃からは、写真の斜面がびっしりと、シラネアオイで覆われている事と思う。
また、上越国境・谷川岳にもシラネアオイの群生が、容易に見られる所がある。
② 【谷川岳・天神平スキー場】
此処は【野反湖】程密生して無いが、十二分に楽しめる株数と、時期に依ってはイワウチワや
コバイケイソウ等の山野草、或いは天気が良ければ谷川岳等の山岳背景が素晴らしい。
シラネアオイはこの写真の向こう側(リフトの向こう側)の斜面(ゲレンデ)に、
比較的多く自生して居ます。
◆ 参考までに、谷川岳ロープウエイの公式サイトからワンカットだけ
標高がほゞ同じ為か、毎年の開花期は野反湖とほゞ同じと考えて良いでしょう。
なお、この他にも交通費や時間に余裕が有れば、佐渡のアオネバ渓谷も有名ですが、標高が低い
せいか開花時期が少し早いので、もしかしたら今年はもう最盛期を過ぎたかも知れません。
また、山歩きをするので有れば、 シラネアオイ命名由来の地、日光白根山 に登る事もお薦めです。
此処は、丸沼スキー場からロープウェイで標高2000m迄登り、群生地迄は、片道2時間位で行ける
と思います。
(なお、山頂迄は多少危険な所があります不用意に行く所では有りません。
ロープウエイは有っても2000m以上の山、軽装登山は事故の元ですのでご注意を!)
【クリンソウ】群生地 ・・・ 見頃:6/中~7/上
◎ 【日光・中禅寺湖畔・千手ヶ浜(せんじゅがはま)】
此処は、私が毎年行こうと思いながら花の季節に行った事が無い、憧れの地です。
写真は私の画像が無い為、 日光観光協会のHP からお借りしたものです。
今年こそは行くつもりですが、「私もこんな素敵な写真が撮りたいもの」と期待して居ます。
此処は環境保護の為マイカー乗り入れは禁止され、タクシーでさえ乗り入れ禁止。
その為此処に来るには下記の3種類の方法しか有りません。
A シャトルバス ・・・ 戦場ヶ原の手前・赤沼(茶屋)バス停からのシャトルバス利用
B 船 ・・・・・・・・ 中禅寺湖を観光船で渡る (対岸2ヶ所から乗れる)
C 徒歩 ・・・・・・・ 最短は菖蒲ヶ浜(竜頭の滝近く)から湖岸沿いに歩いて約2時間
(往復すると、休憩を除いて山道を約4時間です!)
☆ バス時刻 等 最新情報は、上記「日光観光協会」又は下記「日光市・観光課」にTEL
確認してから行かれる事をお薦めします。
◆ 日光市HPより (抜粋) ・・・ H26年度は 6月14日現在、およそ6分咲き との事
【ヒメサユリ】群生地 ・・・ 見頃:6/中~7/上
◎ 福島・奥会津【高清水自然公園】
新潟県~福島県には【ヒメサユリ】の群生地が、数多く有る。
中でも此処は、私がリピーターとして、数年に一度は訪ねているお薦めのスポット。
【大内宿】や【会津若松】等と組み合わせても丁度いい観光ルートかも?
シラネアオイ等と違い、草原に咲く花は周りの緑に打ち消される為か、写真にすると、意外に
群生を表現するのが難しいが、清楚でありながら存在感のあるヒメサユリは、やはり毎年会い
に行きたくなる花である。
【ハクサンコザクラ】 ・・・ 見頃:6/上~7/中
自生のこの花を見ようと思えば、恐らく1000m以上の残雪が残る様な山を歩かないと
出会えない花ですが、最近はロープウエイ等で高山に登ると、思いがけず見かける事
がある。
しかし、自然の群生地と言うと事情が変る。
関東圏で、一番近い群生地としたら、日光白根山、木曽駒・千畳敷カール、八方尾根
位しか、ロープウエイを降りて歩いて2時間以内に群生している所を知らない。
(数株程度の植生の場所は、数多く見る事は出来るが!)
もちろん、それ以外の地でも登山をせずに、群生地を見た記憶は無い。
しかし【ドライブ】と言うカテゴリーを離れ、【登山】と言う事になれば話はガラリと変わる。
3~5時間歩く(登る)だけで様々な所で群落に出会える。
その中の2ヶ所を挙げるとすると【苗場、山】と【会津駒ヶ岳】であろうか。
どちらも山頂が平な湿原状態になっていて、特に【会津駒ヶ岳】のハクサンコザクラの群落は
感動ものであった。 (写真が見付からない、DISKクラッシュ時消失? ・・・ “涙” )
「感動もの」と言えば、少し遠くなるが、 青森県の【岩木山】 には【ミチノクコザクラ】(私
にはハクサンコザクラとの違いは分からないが)の群生地が山頂近くにある。
此処の群生地は見事。 花好きの人は近くに行ったら是非とも見て欲しいスポットです。
しかも、八合目迄はドライブウエイが完備、九合目迄はリフト、そこから歩いて約40分位で
群生地に行ける。 (但し、ハイキング程度の装備は必須)
【コバイケイソウ】 ・・・・・ 見頃:6/上~7/中
① 信州・霧ヶ峰高原 (ビーナスライン)
ビーナスラインと言えば、ニッコウキスゲが有名ですが、レンゲツツジとコバイケイソウの群生
コラボが見られるこの風景は格別で、個人的にはニッコウキスゲよりも気に入っている。
◆ 遠くに見える山塊は南アルプス、左側のピークが【甲斐駒ケ岳】
その右側のピークが【北岳~農鳥岳?】、右のなだらかな山が【千丈ヶ岳】
◆ ビーナスライン・イメージ図 (さわやか信州旅.net : 長野県公式観光ウェブサイトより)
ビーナスラインでは【コバイケイソウ】の群生が各所で見られるが、私の好きなロケーションは、
上図の〇印(車山肩から歩いてすぐ)の所。 (掲載の写真はすべて、この辺で撮影)
② 木曽駒ヶ岳【千畳敷カール】
此処の【コバイケイソウ】は観光ガイドやパンフレット等で良く知られているので割愛します。
しかし、一度は行って見たい【コバイケイソウ】の群生地で、他の山野草も豊かなお薦めスポット。
ビーナスラインで、特に気になる山野草2点 (場所は上記MAP参照)
【キンバイソウ】【グンナイフウロ】
・・・ 見頃:6/中~8/上 頃
◎ 霧ヶ峰・【強清水(こわしみず)湿原】及び【八島ヶ原湿原】
※ 両湿原共に【ビーナスラインの一画】:上記MAP左側上下、〇 印の場所を参照。
どちらの湿原も季節に準じて多彩な山野草が見られるが、特に【強清水湿原】は昔の田圃1~
2枚位の極小湿原の中に多彩な山野草が凝縮されている様な、湧水を水源とした湿原なのが
珍しい。 2013年に新しい遊歩道が整備された。
目の前の霧ヶ峰ヒュッテに泊って、カッコウの声を聴きながら早朝散歩なんて、贅沢かも?
【八島ヶ原湿原】については旅行雑誌やガイド・パンフレットなどに詳しく出ているので割愛
するが、特に キンバイソウ については、最近個体数が激減している様に見えるのが悲しい。
両湿原にはこの他に、「アカバナシモツケ」、「霧ヶ峰ヒオウギアヤメ」、「クガイソウ」、
「オオカサモチ」、「チダケサシ」等々、数えきれない位の山野草達がこれから 秋 にかけて
楽しめると思います。
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