昨日は8月13日、多くの地方では≪盆の入り≫の行事が行われていた事でしょうね。
一昨日の群馬、太田・館林周辺は最高気温29℃と少し涼しいと思ったら今朝方は外気温23℃と戸を開けて寝て居たら寒くて目が覚めた位である。
そして今夜は戸外で24℃、室内でも25~6℃と扇風機で丁度いい。 そのせいか、早くも庭から鈴虫の声が聞こえて来る。(今迄エアコンを使っていて気付かずに居たのかも知れないが、)今年初めて聞いた様に思う。
そうか、それにしても虫達は気温に敏感だね! なんだか急に秋めいた様だ。
さて、今日のテーマ 【しょうたれぞうめん】と【ナス漬け】。
【しょうたれぞうめん】
同郷の人なら、「あゝ、あれか!」ってすぐ思い当たる事でしょうね。
ま、細かい説明は後にして、今日は少し涼しくなったので夕食は【しょうたれぞうめん】にしました。
作り方は超簡単、まずは素麺を茹でる→茹で上がった素麺を直接食器に盛り付け生醤油を掛けて食べる。
これが昔のスタイル。
現在では、さすがに生醤油だけで食べる事は無くなったが、昆布つゆ等を茹で上がった熱い素麺に掛け、唐辛子等の薬味を添えて食べる。 いわゆる、≪釜揚げうどんの素麺版≫と考えればいいでしょう。
これに季節の漬物や惣菜、等が有り盛り付け方に依っては立派な和食になる。
しかし、これがなぜ【しょうたれぞうめん】と言われたのか? 正確な理由は分からない。
私達の故郷では 「しょうたれる」、「しょうたれ」、と言った方言があるが、
「しょうたれる」・・・・・汚れる、身形(みなり)がだらしない等
「しょうたれ」・・・・・・汚れ、みすぼらしい
等の意味に使う、あまりいいイメージの言葉では無い。
それが、なぜ食べ物の素麺と結びついたのかは非常に不思議である。
それはさて置き、この季節の【しょうたれぞうめん】で忘れられない付け合わせがある。
それが今でこそ故郷でも幻の特産物「巾着ナス」の【丸漬け】である。
【ナス漬け】・・・・魚沼巾着ナスの丸漬け(塩漬け)
今でこそ巾着ナスは生産者が少なくなり、「幻のナス」と言われて入手困難なナスになっているが、私達が小さい頃、故郷でナス漬けと言えば【巾着ナスの丸漬け】の事を指した。
この【魚沼巾着ナス】、前回投稿『梅雨明けや冷むぎそうめんみょうがたけ』でも少し触れてみましたが、ナスの皮が比較的薄く、実の部分が普通のナスよりしっかり絞まり、漬けても歯応えが良く甘みが有り煮ても煮崩れしない特徴がある。
京ナス系統で、基本的には丸ナス、今市場で多く見られる丸ナスよりは幾分小さい様な気がする。
これを各家庭で大抵は丸のまゝ樽で塩漬けして、1週間目頃から少しずつ食べるのである。
勿論、食卓には丸のまゝ出されるが、これにかぶり付くのも食べる楽しみのひとつ。
1週間目頃からのナス漬けは、皮の部分が塩味に漬かり、実の部分はまだ生で甘みが強く
かぶり付くと実の部分が「カリッ」と音を立てる位の歯応えと共に実の甘さと皮のしょっ
ぱさ、そして新鮮なナス漬けの香りのハーモニーが口に広がる。これぞ新鮮ナス漬けだ!
ナス漬けの実の中が、徐々に漬かって行く過程がまた美味い。(日々味が変化して行く)
満遍なく漬かって本格的発酵が進行して行くと、幾分柔らかくなり酸味が出て来る。
じっくり漬けこまれたナス漬けはそのまゝ漬物として食べても美味しいが、味噌漬け等に
転用すれば更に美味しい。(でもそれ迄に完食、此処まで残る家は、殆んど無かった様だ)
ちょうど、6月~9月頃が収穫期で、今頃からが秋ナスの季節で、実のしまりも強く甘くなる事から、昔は「秋ナスは嫁に食わすな」と言われた位美味しくなる。
注 : 「秋ナスは・・・」については別の意味もあるとの説もあるが、それはまた別の機会に・・・
【橘 曙覧(たちばな あけみ)】・・・・ならどんな歌を詠む?
唐突ではあるが、久し振りの“しょうたれぞうめん”と“ナス漬け(巾着ナスでは無かったが)”を楽しみながら、もし“橘 曙覧”だったら「この食事風景をどんな表現で詠むのだろうか?」 と、興味が出て来た。
橘 曙覧 : 坂本竜馬と同じ時代、福井に居て藩主・松平春嶽などとの親交が有りながらも政治に
流されず 貧しいながらも家族との日常を楽しみとした歌人であり国学者でもある。
(生家は福井城下の商家)
“曙覧”なら、「熱い素麺とナス漬け」の家族の団欒を、もしかしたらこんな風に詠んだかも知れませんね。
【 たのしみは汗を拭き拭き麺を喰う子ら眺め見し漬けナスにかぶり付く時 】
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