2020/04/18 春の川浦渓谷
花崗岩の方状節理が刻んだ、岐阜の絶景
岐阜県関市、長良川支流の板取川上流に刻まれた渓谷。「飛騨美濃紅葉三十三選」にも選出されている。 この狭く切り立った垂直の断崖は、ここを走る断層と花崗岩特有の方状節理に沿っての浸食作用が刻んだもので、事実この深い谷は、この地に横たわる5㎞余りの花崗岩分布域(川浦谷花崗岩)だけに限られ、その上流・下流域は地層・岩質が異なる(美濃帯堆積岩類分布域)為、同じ板取川でもこの景観は見られない。
花崗岩、方状節理、マサ化
花崗岩はマグマが地下で比較的ゆっくり固まった「深成岩」で、冷却の過程で「方状節理(サイコロ状・直方体状に亀裂が入る)」となる傾向が有る。
又花崗岩は「御影石」とも呼ばれ、墓石などに使われる固い岩石ではあるが、サイズ数ミリ規模の石英、長石、雲母などの鉱物が混在する鉱物で、時間の経過と共に風化・粒状化する傾向も有る。この風化を「マサ化」と呼び、粒状化したものを「マサ土」と呼ぶ。花崗岩のマサ化は往々にして土砂崩れや土石流・洪水につながる場合があるが、同時にマサ土は園芸に使われたり陶芸用の陶土ともなる。岐阜県東濃地方は「美濃焼」の大産地だが、この地に幅広く分布する花崗岩帯からのマサ土が、主に木曽川などによって運ばれたものだろう。
花崗岩のマサ化は場所によって進行状況が異なり、川浦渓谷は未だ比較的摂理面を残した景観で有り、恵那峡、鬼岩は表面のマサ化が一定進み、丸みを帯びた巨大な岩体が露出する。
寝覚ノ床は、印象としてその途上経過に有るのだろう。
川浦渓谷動画
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