7月です これから夏本番
でも暦的には、夏はもう1週間も前(6・21夏至)にピークが過ぎているんです(H25年)。
ここから先、日一日と日照時間が短くなっていく。つまり確実に終りに向いつつあるのです。
(句は『毎日新聞・季語刻々』より引用)
娘は真夏の到来に心を弾ませ、将来の夢を語っています。
卓郎さんの方は、今が幸せのピーク、これから娘もだんだん親離れしていき、
「そのうち耳かきなんて、させてもらえなくなるんだろうなあ」
と、心のすみに、ちょっぴり影がさしています。
1日
さくらんぼ
2日
ごま
はんげしょう(半夏生)
この季節に白い花をつける、ドクダミ科の葉が半分が白い草。
半化粧とも。
かつてはこの花の開花を見て、田植えを終了した。
それ以降に植た苗は、収穫が半分になるため、だとか。
それで、夏至から数えて11日目(だいたい7月の初めになる)を半夏生と呼んだ。
つまり6月いっぱい田植えをしていたことになりますね。今より1カ月程度、遅かった。
3日
都わすれ
この花は現在、園芸店に出回っているため、庭花としてポピュラーですね。
紫のあでやかな花。
花名の由来は――
承久(しょうきゅう)の乱で敗れた順徳(じゅんとく)上皇は佐渡へ流される。
その途中、山道に咲いていた白い野菊に心をうたれ、これを御所へ移させた。
傷心の上皇は、この花を見ている時だけが、都を忘れられた、という。
――それで都忘れと命名されたとか。
ただ、上皇が愛(め)でた花は、現代のミヤコワスレではない。ミヤマヨメナ(深山嫁菜)という山野草。
このヨメナが何回か園芸用に品種改良され、現在のようなあでやかな花になったのだそうだ。
ミヤマヨメナ(深山嫁菜)
ミヤマヨメナは、現在でも里山のあぜ道でよく見かける、何の変哲もない白い地味な花。
ハイカー達は、そんなものは見向きもしないで、ふんづけて通り過ぎていく。
4日
しゅうかいどう
よく家の裏など、日当たりの悪い所に咲いていたのだが、すっかり見かけなくなったなあ。
葉っぱを一枚失敬して、ムシャムシャ食べた思い出がある。
味は酸っぱくて、まあスッカシ(スイバ)のようなもの。
5日
とうまめ
6日
おもだか
田んぼやため池などに自生する水生植物。梅雨時から今頃にかけて、白い清楚な花をつけます。
名前のいわれははっきりしないようですが、葉が人の顔に似ていることから面高、という説が有力のようです。
おせち料理に使われるクワイはこの球根。
また、葉の形がカッコいいので、古来より武家の家紋に用いられています。
7日
七夕
今日は七夕。天の川ほとりで、牽牛(けんぎゅう)と織姫(おりひめ)が年に一度デートする日です。
でも本当は今日ではない。
七夕はもともとは旧暦行事だから、今年だと8月20日過ぎになるのかな?
そのころになると空気が澄み、里芋の葉っぱに水滴が転がり、中空は抜けるほど高くなる。
日の暮れとともに、天頂にある二つの星がひときわ光を増す。これがひこ星(牽牛)とひめ星(織姫)。
この二つの星、地球からだと接近しているように見えても、実は15・5万光年の距離があるのだそうです。
織姫が「ケンさーん。愛しているよ」
と光のラブ・コールを送っても、届くのに15万年。
それを受けた牽牛が「オリちゃーん。おいらもだよ」
と返信して、届くのにまた15万年。
つごう30万年の往信。
星の恋愛はスケールが違う。
8日
つりふね草
湿った水辺などに自生しています。
みずみずしい茎とか、種子が弾けるところなどは、ホウセンカによく似ていますね。
で、調べてみたら、なるほどホウセンカはツリフネソウ科に属していました。だから、ホウセンカの方がツリフネソウに似ている、といった方が正解のようです。
9日
のうぜんかづら
さて困った。この花名がわからない。
そこで確かこんな名前だった、とネットに「あいぜんかつら」と入力して検索してみた。
すると「もしかして愛染かつら?」と出でき、
その下の関連検索に「のうぜんかづら」と出てきた。 あっ、これだ。
西日本では、ゆうぜんかつらとも。
なるほどこの花は、京都の初夏の夕暮れ、鐘の音、友禅染などが似合いそうですね。
10日
まつばぼたん
11日
ゆうごう
夕顔でいいのかな?
ゆうごうといえば、かんぴょう作りをしていた田舎のバサを思い出すし、
夕顔といえば、『源氏物語』を連想する。
この落差がね・・・。
ひょうたん(瓢箪)
ひょうたんは3個で「三拍子(三瓢子)揃う」、6個で「無病(六瓢)息災」となり、縁起の良い植物。
1000個で「千成びょうたん(豊臣秀吉の旗印で有名)」ということになります。
中身をくりぬいて干したものは、そのままひょうたんもと呼びますが、一般的にはひさごと呼びます。
12日
あまがえる
6月30日に東京でクラス会があり、帰り、湯沢に一泊しました。
その道すがら、大源太川のほとりで、ムカゴを持ったような草の葉を見かけました。
よく見ると、ムカゴではなく、アマガエル。
もう、必死でしがみついている、といった感じ。
その後、雨らしい雨も降らず、真夏日がやってきました。いわゆる空梅雨。
あいつら、大丈夫かな?
13日
くがい草(九蓋草,九階草)
道と林の境目のような所で見かけることがあります。
9階建のビルディングのように、段々に花をつけることから九階草(ほんまかいな?)。
14日
かぼちゃの花
とくにどうということのない花だけど、やさしい感じ。大柄でお人よしのお姉さんを連想する。
よほど居心地がいいとみえ、よくハチが、花袋の中にもぐりこんでいます。
15日
ちごガニ
釣の帰り、干潮時の夕暮れ時、河口堰近くの干潟(ひがた)のような所でした。
一瞬、白い花がパッと開いて、ソバ畑ができる。
なんだこりゃ。
すぐ閉じる。数秒後にまた開いてまた閉じる。
チゴガニが巣穴から出てきて、ラジオ体操を始めました。
ほんとうにラジオ体操そのものなんです。
「手を前から上にあげて背伸びの運動」だったかな? その後くらいに「胸の運動」というものがありますよね。いったん胸の前で手を交差させ、大きく開く。まさにあれ。
その数、数千匹、いや数万匹かも?
ちなみにリズムを測ってみました。
1、2・・・3で開いて、4で閉じる。5、6・・・7で開いて、8で閉じる。これを全員(?)いっしょにやる。
このカニはつめだけ白い。それで開いた時に、白い花が咲いたように見えたわけ。
それにしても、よくまあこれだけの数が同調できるものだ。
でもよく見ると、ワンテンポ遅れるやつがいる。
人間社会にもいるよね、ワンテンポずつ遅れる人が。
16日
トラノオ(虎の尾)
これは岡トラノオ。
上の平(石打の近く)で見かけたものです。
こちらが花トラノオ。
花壇に植えている家もありますね。
17日
せみの羽化
18日
ヤブカンゾウ
カンゾウ――なんか同級生みたいな名前ですね。
カンジ、カツゾウ、ヨウゾウ・・・近いけど、カンゾウずばりはいなかったかな?
藪がつくと(ヤブカンゾウ)、藪の勘三となり、『鬼平犯科帳』あたりに出てきそうな名前。
佐渡ではヨーラメというそうです。
ヨーは魚 ラメは卵で、魚(鯛)の産卵のころ咲くから。
正式には甘草と書き、あまい草という意味。
春先、若芽を食用にするためそう名付けられたのだとか。
原産地の中国では「忘れ草」というロマンチックな名前で呼んでいるそうです。
19日
オニユリ
20日
ゲンノショウコ
今日から夏休みという小中学校も多いようです。
小学低学年のころ、薬草採りをさせられた思い出があります。
ヨモギ、オオバコ、センブリ、ゲンノショウコ・・・。
ゲンノショウコは、腹痛の即効薬として知られています。
「かっかアッパタレだあ(お母さん、下痢になった)」
「しょうがない子だねえ。あちこちで拾い食いするから・・・。これを飲みなさい」
とゲンノショウコを煎じてのます。
「まじーぃ。でも効くの? こんなもんが」
「で、お腹の具合はどう?」
「あっ、なおった」
それが現の証拠。
21日
夕立 くわばら
西日本では晴天が続いているが、ニュースは静岡や山形の集中豪雨を伝えていました。雷の季節です。
雷が来るとよく蚊帳(かや)の中へもぐりこんだものだが、これは屋内での話。
外で出くわした時は、立ち木の陰に隠れてはダメ。逆に標的にされる。
これを避け、かつ雨をしのぐとなると難しい。
ボコサマ(蚕)を飼っていたころは、桑畑がたくさんあった。
そこで「桑原、桑原」といいながら、桑畑の中に逃げ込んだそうだ。
これが現在、恐いものに出くわしたとき使う「くわばら、くわばら」の語源。
22日
土用の丑(うし)
土用うなぎ
現在は、高層マンションなど住宅事情もずいぶん変わってきましたが、これは「向こう三軒両隣」といった時代の話。
「うなぎは味はもちろんだが、何といっても焼いている時の匂いだね。あれがたまらない」
「じゃあ、今晩はうなぎだから、早く帰ってきて」
朝、そんな会話があったので、残業を断って帰って、食卓を見ると、
「何だ! これは。 コーコ三切れだけしゃないか。 うなぎはどうした。うなぎは」
「焼いているでしょ。お隣さんが」
(その匂いで食べろ――ってか)
23日
山ゆり
24日
みそ萩
たんぼの畔などで見かけます。
味噌でも溝でもなく、禊(みそぎ)萩が正解だそうです。
盆花として使うことからショウリョウバナ(精霊花)とも。
25日
くされ玉
ひどい名前ですね。1週間風呂へ入らないジーサマのキンタマみたい。
でも、これも腐れ玉ではなく、蓮玉と書いて、お釈迦様の台座つまり蓮(はす)の花から来ている、そうです。
木の台座が木蓮(もくれん)で、
民主党の台座が蓮舫(れんほう)さん。
26日
むくげ(木槿)
夏の庭先を涼しく感じさせてくれる白い花。
朝開いて夕方にはしぼんでしまう一日花であることから、ふるくは朝顔ともいったそうです。また、人の世のはかなさにたとえられました。
そのはかなさをあらわした「槿花(きんか)一朝の夢」なんていうことわざもありますね。
27日
オクラの花
28日
あまうり(真桑瓜)
ある偉い人が50年ぶりに城内を訪れた。
何でも遠い親戚があって、子どもの頃、一度だけ来たことがあるそうだ。
あの日、農家の縁側でゴッツォになった黄色いあまうりの味が忘れられない。
まだ栽培している家があると聞いて、さっそくよばれることになった。
一口食べてみて、
「ん? ・・・」
似ているけど、微妙に違う。
ぶっちゃけた話、あの時ほどおいしくないわけ。
そうも言えないから、
「ま、その、これも何回か品種改良をば したんでしょうね」
「いや、それはやっていませんが、当時はまだ下肥。いや、アッパ・・・。つまりその・・・いわゆるアッパをかけて作ったわけで・・・。それでまあ、ひと味違ったかと」
「へえー、そうだったんですか。で、今でもあるんですか? そのアッパは」
「そ、そりゃあ、あるにはありますけど・・・」
「じゃあ、これにかけて下さい」
と、食べかけのあまうりをさし出した。
(※ネタ元は落語「目黒のさんま」)
29日
さぼてんの花
江戸時代、南蛮から持ち込まれた園芸植物。
樹液が石鹸代わりになる。石鹸を昔、シャボンといった。それでシャボテン→サボテン。
30日
二十三夜講
三夜塔は下原の専売特許とばかり思っていたが、城内中にあるんだね。
これは江戸末期流行した二十三夜講のために建てられた石塔。
勢至菩薩(せいしぼさつ)をまつったものだそうです。新堀の石塔には、その勢至菩薩が彫られています(赤〇)。
私たちが子供のころにはまだ、天神講、十二講などの行事が残っていましたが、それと同じように23日の夜になると、みんなで塔の回りに集まり、月の出を待ちながらこの菩薩を祈る。
祈るというよりゴッツォを持ち寄って、飲み食いする方が主目的だったかもしれません。
城内中に石塔が残っているってことは、当時、この講が大流行したことをうかがわせます。。
今日は旧暦6月23日。
今日行われたかどうかわかりませんが、気候的にこのあたりかな? と想像しました。
31日
かまいたち
風鬼ともいう。
何んにもない草っ原で転び、起き上がってみると、ひざ下にスパッと切り傷ができていた。
そんな経験、ありません?
これは転倒時、ひざ下に真空状態ができ、肉が裂けたため、と聞いたことがある。
んな、ばかな。
真空で人が斬れるのなら、刀なんていらない。
もっとも、むかし赤胴鈴之助の真空斬りなんてのもあったが、あれはマンガの話。
やっぱ、これはイタチの仕業だよ。
追加
ねむ(合歓)
漢字で合歓と書く。ガッカン?
文字通り解釈すれば、合い歓(よろこ)ぶ、ということになりそう。これは昼の間、開いていたネムの葉が夜になると合わさって閉じる、という現象をさしているようです。
なるほど、すると「合」は解る。でも何でそこに「歓」がつくの?
夫婦を見なさい。夜、合わさるということは、イコール歓び、ではあーりませんか。
というわけで、ネムは原産地の中国では夫婦円満を象徴する木らしいですよ。
びわ(枇杷)
この時期実り、冬に花が咲く。
桃栗3年柿8年 枇杷は早くて13年。
なんて言われていますので、実がなるまでに10年以上かかります。
そのためか、ビワの木は硬くて粘りがあり、高級な杖の材料になるそうです。
池波正太郎の『鬼平犯科帳』に登場していましたね。鬼平が庭の枇杷の木を切って、それを削って杖を作り、改心した老盗にプレゼントする――なんで話が。
またたび
「ネコにマタタビ」は有名ですが、トラやライオンもこれを嗅ぐと恍惚状態になるそうですよ。
ところで、トラやライオンの舌はどうなんだろう? やっぱネコ舌?
ネコだけではなく、人間にも疲労回復などの効用があるとか。
疲れた旅人がこの実を食べたら元気になり「また旅を続けられる」といったことから復旅(またたび)。でもこの説は少し眉唾っぽい。
みやままたたび
田の草とり
農薬散布
昔はすごかったねえ。
この蓄積がたぶん、田んぼの生態系を変えて、結果タニシやメダカがいなくなった。
そんな時代もありました。
ハエ取り紙・ハエたたき
里どんぼ
いわゆる銀ヤンマのことだと思うが、
魚沼では里ドンボと呼んでいました。
かじっか突き
石切
水切と言ったかな?
淀みなどの流れのゆるい所に、アンダースローで石を投げ込むと、水面をポンポンポンと石が飛んでいく。
水鉄砲
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