2月です。
「だんだんどうも、ごにょごにょごにょ・・・」
「だんだんどうも、ごにょごにょごにょ・・・」
雪国の人は礼儀正しい。いくら気の置けない仲でも、道で会うと必ずこう言って、3べんづつ頭を下げ合います。
「ごにょごにょごにょ」のところは語尾がだんだん小さくなって、何を言っているかわからない。
よく葬儀のとき「このたびはご愁傷様でした。ごにょごにょごにょ」と語尾をだんだん小さくしますよね。あんな感じ。
当の本人も何を言っているかわからない、のだと思います。
1日
雪だるま
2日
こんばっかち
口の悪いスキー仲間は、信州のパウダースノー(粉雪)に対して、上越の腐っれ雪などとぬかしてけつかる(おれも口が悪いけど)。
グーラ雪と言ったかな? 水分が多い。
そのため、握るとすぐ固まる。しるが出るほどぎゅーぎゅーに固めて、この球をぶつけっこする。割れた方が負け。
これをこんばっかちといいました。
豆まき
立春の前日(2日または3日)は節分で、豆まきをする。旧暦時代は大みそかに行われました。
[福は内、鬼は外」と言って、家の中に巣くう鬼どもに豆をぶつけて追い出す行事です。、
追い出された鬼は、寒空に腰みの一つの裸でさまようことになります。
鬼とは、その家に禍(わざわい)をもたらす厄(やく)を象徴したもの。
貧乏、災害、病気、交通事故、受験失敗、失恋、リストラ・・・
我々の年代になるとボケ、老化、そして死、ということになりますね。
これを追い出しましょう。
ところが地方によっては、「福はうち、鬼はうち」と言いながら豆をまく風習もあるそうです。
外をさまよっている鬼を「なんぼか寒いべす」と、家に招き入れ、酒をふるまってもてなすわけです。
鬼はうれし涙を流しながら、酒をよばれます。
敵を根絶やしにするまで叩きのめすのではなく、あるところで妥協し、そっと逃げ道を作っておく。
そうすることによって、鬼はもうその家に厄害をもたらしません。
そうしないと、もっと悪い鬼に進化して、またとりつく。新型ウイルスと抗生物質の関係に似ていますね。
昔の村落共同体には、そんな知恵がありました。
3日
スキー
4日
そり
ミカンの空き箱に古くなったスキーを打ち付けてソリを作ってもらった。
モウソウタケを二つに割って、火であぶり、足にすることも。
この地方は、ミカン箱でなくてりんご箱だったかもしれない。
5日
ずいのー
雪でつくったすべり台。
6日
ふろの日?
ヘヘーン、今日は2(ふ)月6(ろ)日だから、たぶん風呂の日だな。そうに決まっている。
と思ってネットで検索してみたら違っていた。11月26日が「いい風呂の日」だそうです。
ところで、
私が冬季間生活している湯沢のマンションは、何もいいとこないが、一つだけ、大浴場がいい。高半ホテルより大きいし、明るいよ。
定住者は東京方面からのリタイヤ組が多く、みなさん紳士で、風呂のマナーもちゃんとしています。
気持ちよく朝風呂につかっている時のことでした。隣に老紳士が入ってきた。
「新品ですので、ちょっとだけお湯につけてもいいですか?」
とタオルを見せる。もちろん新品ならOK。
こんなささいなことまでちゃんと断るなんて、やっぱ、東京人は礼儀をわきまえているし、気配りもできている。このへんが関西人(特に河内のおっさん)と違うところ。
何に使うのだろうと見ていると、テルテル坊主のような形にふくらまして、湯の中へ引きずり込んで、握りつぶす。
ブクブクとアワがたつ。
何と、いい年をして、子どもみたいな他愛のない遊びをしてました。
ところが、そのアワがゆら~と、こっちに浮いてきて、鼻先でパチンとはじけた。
くっさ!
ヤロー、へをこいて、それをタオルのブクブクでカムフラージュしやがった。
そ、それにしても・・・、
「あんた、夕べ、なに食った?」
「玉ねぎ。生のまま まるごと一個」
7日
こたつ
あんか ひばち じゅうのう(十能)
8日
ストーブ
9日
スルメ焼き
スルメはストーブで焼くに限ります。
今日9日は、初午。小豆飯を稲荷様にあげて豊作祈願。
はまんぼ
10日
わかさぎ(公魚)
11日
あわび(鮑)
あわびはちょうど殻が二枚貝の片方だけのように見えることから片貝。
その「片」に「片思い」の「片」をかけて「磯のあわびの片思い」なんて言います。
語源は『万葉集』の「伊勢の白水郎の朝な夕なかづくてふ鮑の独念(かたおもひ)にして」からきているそうです。
すると磯のあわびはの「磯」は、伊勢のあわびの「伊勢」からの転化かもしれませんね。
12日
わたりかに(渡り蟹)
伊勢湾にいくらでもいます。
一時、絶滅危惧が伝えられましたが、いまはまた増えているようです。
食べ方は至ってシンプル。
鍋に湯を張り、ぐつぐつ煮え立ったところで、放り込む(生きたやつなら最高)。
甲羅の色が赤く変わったらOK。
ちょうど二枚貝を開く感じでパカンと二つに割り、甲羅と身を離す。
まず、甲羅の隅を指でなぞらってカニみそを出して、食べる。
次に身を食べる。
最後は、脚を折って、ガシガシっと歯で噛んで、肉を口の中へしごき落とす。
噛みカスをぺっと吐き捨てる。
こぶりでもけっこう食べでがある。
味は濃厚だけれど、くどくなくていくらでも食べられます。
13日
がんぎみち(雁木道)
♪~雪のトンネルどこまで続く
と『十日町小唄』に歌われているトンネルとは、このがんぎ道のこと。
14日
鳥追い
2月に入って、雪の洞を作り始める。
当日の夜はその中で過ごし、上でワラ火を焚いて「鳥追い」の歌を歌う(雄)。
鳥追い歌のいろいろ
城内はイラスト内にある「♪~鳥追いだ 鳥追いだ だいろうどんの・・・」
塩沢湯沢方面は
♪ おらがうらの早稲田の稲を
何鳥がまくらった
すずめ鳥がまくらった
すずめ すわ鳥
一番鳥も二番鳥も
立ち上がれホーイホイ
ホンヤラホンヤラホーイホイ
♪ あの鳥ゃどっから追ってきた
信濃の国から追ってきた
何もって追ってきた
しば抜いて追ってきた
一番鳥も二番鳥も
立ち上がれホーイホイ
ホンヤラホンヤラホーイホイ
山古志地方では
♪ 一の一の憎っくき鳥は どうとサギと小雀
しっぽ切って 頭(かしら)切って
塩俵(しょおだわら)に詰め込んで
佐渡島へボイヤレ ボイヤレ
今日はバレンタインデー 元々はキリスト教由来の、聖の日(根拠はハッキリしないようだが)。今日本では本命男性の気を引くチョコを探して、女性が眼の色を変える。お菓子屋さんの陰謀か?(雄)
さんぱち(三八)豪雪
写真は昭和38年の六日町上町通りの風景。
道が屋根と同じくらい高くなっています。
横から地下道のようなところへ降りると、そこが がんぎ道。
15日
どっぽ
雪の落とし穴。
作り方は簡単。道の真ん中に穴をほり、やわらかい雪をかぶせておく。
するとそこに足をとられて転倒する。
夏の「草のわな」と同じように、いささか危険な遊び。
16日
ふかぐつ(深靴)
17日
ゆきげた(雪下駄)
われわれ世代は雪下駄に情緒を感じますね。
雪下駄ではないけれど、ゲタがほしくなって買おうと思ったことがあります。
ところがいまどこを探しても売ってないんだね。
むかしは城内にも上原の角のあたりにゲタ屋サンがあったよね。
18日
かくまき(角巻)
かくまきは雪国女性の防寒具。なかなか色っぽいですね。
湯沢駅に駒子(小説『雪国』)のかくまき姿の人形が立っているけど、これが当時の芸者さん姿。
19日
トンビとマント
女性のかくまきに対して、男性はトンビとマント。こっちはぜんぜん色っぽくないですね。
トンビはケーブのついた外套旦(がいとう)で旦那衆が婚礼や葬式などに着用した。広げるとトンビのように見えたためそういわれたとか。
マントは子供たちも、通学のときなども着用しました。
わたしたちが中学生になるころから、防寒着はアノラックに変わっていきました。
20日
よーぎ(夜着)
どてらではありません。冬用の綿の入った布団。
首回りが暖かい。
21日
むしろ(筵)作り
22日
はたおり(機織)
塩沢の国道通りにある資料館で、女性従業員の方が、機織りをちょっとだけ実演してくれました。
トントンという音がいいね。
越後上布はこの後、雪にさらします。
城内雪と炎の祭典
今年も城内雪と炎の祭典開催の運びとなりました。
去年より参加箇所も増え、年々賑やかになってきました。
少し心配なのが雪の量です、なるようにしかならないのですが、その対策も少し考えておかないとと思っています。
皆様のご協力もお願いします。
(写真・昇)
23日
なべ(鍋)
こんな夜は、あつあつの鍋に限ります。
24日
ホワイトアウト
地吹雪のこと。道が見えなくなるので、車を運転するときは、この現象が一番怖い。
25日
キタンバイ
あんまり描きたくない画材ですが、これはシラミ。
地表に置くと北へ向かって這い出すのでキタンバイ(北ン這イ)とも言うそうです。
私たちのころは、さすがにシラミはもういなかったが(ノミはいたけど)、DDT(殺虫剤)が登場するまではすごかったらしい。
何でも服の襟の縫い目にズラーッと並んでもぐりこんでいたそうです。
でも利用価値もありました。
ホワイトアウトで方向感覚を失ったとき、襟から2~3匹抜き取って、地面に置く。
すると北ん這い(北へ向かう)。
磁石代わりになって、冬山でも遭難することがなかったそうです?
26日
かりがね(雁)
27日
すいせん(水仙)
荒野や目立たない裏庭などにひっそり咲く、白い小さな花です。
北風に震えている風情はいかにも寂しい。
ところが同じ水仙でも(もちろん種類の違いによるものですが)魚沼地方は。
28日
あほう鳥
「オーイ、カモメよ。どこまで行くんだい。江戸川を上って柴又まで行くんかい」
「ばーか、おいらはカモメじゃなくてあほう鳥。つまりあんたと同類よ」
冬になるとアラスカの方からやってきて、日本近海の島で繁殖した。
何しろアホなもんで、人間の姿をみるとよたよたと寄ってくる。それで次々と乱獲され日本近海にはいなくなった。
でもまだ尖閣諸島にはやってくるそうです。
したがって、図のように江戸川を上ってくることはありません。
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