上高地・冬季閉鎖

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昨日(10/28)、TBSのNスタ(夕方の二ユース番組)で3回、28日の「八海山の紅葉」風景
放映(中継か録画かは不明)されていた。 ゴンドラからの映像は今が一番の見頃の様でした。
これから城内地区を始め「里の秋」本番。 見て美しく、食べて美味しい最も楽しい季節ですね!

今回はそんな紅葉つながりで、上高地の話題をひとつ。

 

上高地・冬季閉鎖は11/15(予定)迄


   ♦ 今日29日午前9時頃の河童橋付近ライブ映像より  (五千尺ホテル様ライブカメラ)
河童橋ライブカメラ 2013.10.29(09時頃).JPG

 このライブ映像は「上高地/五千尺グループ/ライブカメラ」をキーワードに簡単に検索出来ます。

この、美しい姿も、あと2週間程で冬季閉鎖になってしまう。

 

プロローグ


私の青春時代の思い出の多くを占めた地域は、恐らく上高地を中心とする、穂高連峰~槍ヶ岳~燕岳
(通称:銀座コース)、上高地を挟んで、大滝山~常念岳~燕岳(通称:裏銀座コース)と、このエリ
アに何回足を運んだかわからない。

かと言ってロック・クライミングが出来た訳では無い。 大抵は単独行の尾根ルートであるが、季節
や天候・時間帯等で同じコースでも、全く違う風景などは何回行っても飽きることが無かった。

上高地の写真は様々なメデアで色々美しい映像が紹介されているので、ここでは「上高地公式サイト」
から一部の写真をイメージが伝わる程度に縮小して掲載し、説明に役立てたいと思います。

 なお、写真縮小は本サイト経由での著作権侵害予防の為。またサイト運営者にお断りして居ない為、
 リンクは行いません。 ご興味のある方は「上高地公式サイト」がキーワード検索でご覧頂けます。
 当然の事ですが、「公式サイト」なら下記写真を含み綺麗な上高地の写真を色々見る事が出来ます。

   ♦ 河童橋からの穂高連峰と、ウエストン碑付近からの六百山~霞沢岳  (秋風景)
上高地(640×252).jpg

   ♦ 上高地・穂高連峰周辺地図 (少しサイズが大きいので拡大してご覧下さい)
上高地・穂高周辺地図.jpg

 

ジャンダルム


河童橋からの写真のほゞ中央に一番高く見えるピークの右にそびえる岩峰、これが【ジャンダルム】。
穂高連峰を旅するひとにとってはシンボル的岩峰である。 が、そこはまた、決して普通に誰でも気軽
に行ける領域では無い。

   ♦ 大正池付近からの奥穂高岳~天狗のコル (黄色の点線は2回目のルート)
上高地 (大正池).JPG

過去2回、その頂に立った事があるが、1回目はロッククライミングもやる穂高大好きの友人の案内で
涸沢から、ザイテングラードを登り、白出(しらだし)のコル(鞍部)に有る「奥穂・穂高岳山荘」~
ジャンダルムを往復すると言うルート。

この時の天候は穂高岳山荘(当時は「奥穂山荘」と呼んで居たと思う)から少し上、奥穂山頂へのハシ
ゴの途中から上にガス(霧)が掛かり、涸沢方向は紅葉がスッキリ見える秋晴れの日であった。
当初、晴天ならば西穂高岳へ抜ける計画だったが天候の行方に不安があり友人の判断で、ジャンダルム
往復に変更したのである。

ベテランの友人の案内もあり、また、ガスで視界が効かなかった(特に谷底がみえなかった)為恐怖心
も無く、難所と言われた「馬の背」等の岩場も難なく通過してジャンダルムの頂上に立つ事が出来た。
この日はガスは濃くなったり薄くなったりしていたが風も無く穏やかな一日で、その為ジャンダルム頂
上からは周りの景色が見えず、がっかりしながら引き返し、何事もなく穂高岳山荘へ帰着。
その代り、山荘から眺めたその日の夕焼けが、何とも言えず綺麗だった事は、忘れられない思い出とな
った。

2回目はその2年後の夏、単独行でもう一度同じルートで西穂高岳を目指した。 この時は天候(予報)
も良く、穂高岳山荘~西穂高岳を踏破する予定だった。

穂高岳山荘を出発して奥穂高岳山頂迄は予定通りだったのだが、馬の背迄来て愕然とした。
前回来た時はガスが回りの景色を覆い隠して居て友人の後ろから何気なく通った道(岩場)が、今は両側
が数百メートルも切れ落ちて、板みたいな岩が左右から押されてせり上がった様な細い所は道幅1m
も有るか無いかと言う岩場が100m近く続くでは無いか。  しかも、かなりの急傾斜。

両側に深い谷族を見ながらのナイフリッジでは、さすがに単独行で来た事を後悔したが、途中で風が吹か
ない事を祈りながら、慎重に渡ったことが思い出される。

北穂高岳から槍ヶ岳へのルートに最大の難所と言われる「大キレット/岩峰同志の間の険しい稜線鞍部」
が有るが、そこよりもこゝ馬の背は険しい様に思う。
何よりも大キレットは登山者が多いせいか【安全対策】のハシゴやクサリが随所に有り、ベテランでなく
とも慎重に行動すれば、限りなく安全に近い。
ただし、アプローチは長いし天候や体調に依っては自然が牙を剥く領域。
一方、こちら西穂高岳に向かうルートはベテランの領域とされて居たせいか、奥穂高岳・山頂からは、ク
サリやハシゴ等の設備は当時(約40年近く前)殆んど無かった。

そんな領域に、自分も入れると過信して居た事も忘れ、ジャンダルムも無事通過して、上高地から見て真
正面のピーク付近で、昼食とした。
晴天での上高地や安曇野方面や焼岳・西穂高岳、飛騨の山々等を眺めながらの昼食は、まさに自然は最高
の調味料。 それとホエーブスで暖めた1杯のコーヒー、何物にも増して美味かったなあ。

 

天狗のコル


事故はそれから約1時間後に起こった。
上の写真の黄色い点線の様に稜線上を、他の何組ものパーテーと、列を作って天狗のコルに向かって居た。
  (上高地から見て左側に向かって居たが、夏休みを利用した登山者が多かった為だ)

この下りは殆んどが急傾斜の岸壁で、、八海山であればクサリ場・ハシゴが付いている様な岸壁が連続し
て居るルートで、岩に張り付き3点支持で下るしか無い岩場。   当然、ハシゴもクサリも無い。

そこを私がほゞ2/3位天狗のコル側に下った頃、上から 「落ちたぞー!」 って、何人かの声が聞こえ
たと思ったら、数メートル離れた上高地側の岩場を、男性が滑落して行って崖下に見えなくなった。

ルートを外れてしまって居たので、その後どうなったかは分からなかったが、私の見た範囲だけでも30
~50m以上滑落しており、軽く済んでもあちこち骨折しているだろし、最悪の結果でも不思議では無い。

その後、滑落者のパーテー4人を優先通過させた後、改めて慎重に天狗のコル迄下りた。
そこには滑落者のパーテー3人が放心した様にたたずんで居た。
聞けば、リーダーが救助を求めに岳沢ヒュッテ迄先行して、彼等はゆっくりと下る事になっているとの事。
確かに、滑落者は素人が探せる様な場所に落ちたのでは無く、ベテラン(らしい)の先行連絡は正しい選
択であろう。  (当時は携帯電話など持てない時代、山小屋の非常無線に頼るしかない)

ただ、リーダー以外は登山歴が白馬・栂池と瑞牆山(山梨)・丹沢(神奈川)だけと言う。 無謀だ!
穂高以外は殆んど岩場らしい岩場の無い尾根歩きルート。 例えリーダー一人がベテランでも、いきなり
穂高の中でも最難関と言われるルートに来るなんて! ・・・ って思いながら、ハタと気が付いた。

  「そう言う私自身も五十歩百歩では無いか、私自身が滑落しても可笑しく無かったのでは?」

って事に。
そう考えたらこゝ天狗のコルから更に危険な領域を一人で行く事が無謀に思え、天狗沢を下り岳沢ヒュッ
テ(地図に依っては岳沢山荘)~上高地へのルートに変更する事にした。
  (正直、滑落者を直接見た事で気持ちが萎えてしまった事も影響して居たのかも知れません)

そんな訳で、天狗のコルから岳沢ヒュッテ経由で上高地へ下る事にした。

その後も登山は続けているが岩峰ルートしか無い領域には、単独行の山旅はした事が無い。

自分の為は勿論だが、身内はもとより友人・同僚への迷惑を考えると、無責任な行動は出来ないと思う様
になったからだ。

   ♦ 晩秋・上高地からの「岳沢ヒュッテ」 A (ズームアップ)・・・以下、数年前の撮影
上高地  2.JPG

   ♦ 晩秋・上高地からの「岳沢ヒュッテ」 B (標準)
上高地  1.JPG

   ♦ 晩秋のウエストン碑付近よりの「焼岳」
上高地  3.jpg

   ♦ 大正池からの「焼岳」
上高地  4.JPG

   ♦ 焼岳山頂付近(噴煙)ズームアップ
上高地 5.JPG

   ♦ 梓川右岸(ウエストン碑の対岸付近)からの河童橋・明神岳方向
上高地  6.JPG

 

   そしてまもなく【冬季閉鎖】、来春までの長い冬、


            上高地は、限られた人しか入れない世界になる。

 

 

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