詠もうと思って見上げると、ラッキーなことにトンビが舞っています。
「そうだ! このトンビを題材に」
でも、俳句なんちゅうものは、最初の一言(発句というそうです)がなかなか出てくるもんではありません。
そこで、口ごもっている辻やんにヒーやんがアドバイス。
「まず対象を見ろ。じーっと見続けろ。そうして浮かんだ言葉を口に出してみろ」
対象であるトンビはグルグル旋回し続けています。
それを目でグルグル追いながら・・・。
0503 道祖神(どうそしん)
辻やん「いやー、俳句ってなかなか難しいもんだなや」
ヒーやん「まあ君たち無学な人間には、なかなか言葉が出てこないかもしんないなあ」
ゴリやん「そんなことより隣村はまだかよ。ずいぶん歩いたぜ」
辻やん「遠くて近いは男女の仲、近くて遠いは田舎の道っていうからな」
ヒーやん「おや、そういう言葉はスラスラ出るんだね」
「それにしてもよく似ていたなあ」
「不思議はないさ。此の世に同じ顔をした人間が3人はいるというからな。オレなんか辻やんそっくりの婆さん知っているぜ。顔だけじゃなくて声まで似ている」
「そういえば、オレもヒーやんそっくりの外人さんにあったことがある。それがさハハハ・・・ヘアスタイルまで同じでやんの」
0505 山のお寺
0507 どじょう汁
「おい、こんな山ん中へ食堂があるぞ」
「どじょう汁だって」
「ちょうど腹が減ったとこだ。ここで昼飯にしよう」
「あらら、おばあちゃん、出ていったよ。こうもり傘もってさ。どこへ行ったの?」
「峠下の店まで、味噌さ買いに」
「みそ?」
「だって味噌さ無ければ、汁ができなかっぺ」
「えーっ! 何だと」
0509 いわな料理
「あったあった。あれだ。民宿いわな亭」
「あれが今日の宿だな」
「
0511 朝立ぬ
春眠暁を覚えず
――なんてことを申しますが、年を取ると朝が早くて・・・、
旅先くらいはゆっくり寝ていればよさそうなもんですが、やはり早く目が覚めてしまいまして・・・。
0513 とんでもない名前の鳥
0515 バードウオッチング
オオマシコドリ(大猿子鳥)は、秋シベリア方面から来て、春帰る渡り鳥。
日本では中部以北にしか見られず、雪に映える赤い鳥として人気がある。
その生息地がこの近くにあるという。
ヒーやんを先頭に探してみることにしました。
1羽現れるとすぐ1羽。
そして2羽、3羽・・・次々と現れて、あっという間に3人を囲んでしまいました。
3人は思いがけずに、北へ帰る前のオオマシコドリの大群のバードウオッチを楽しむという幸運に出くわしたわけです。
一方、オオマシコドリにしてみれば、北へ帰る前に、思いもよらずオモロイ顔した人間3人が出現したので、日本での見納めとばかり、一家総出(?)で、マンウオッチング(人間観察)を楽しんだ――というわけです。
お互い様。
0517 猿ヶ郷(さるがきょう)
その夜の泊りは県境の猿ヶ郷温泉です。
大浴場では、名の通り、サルとの混浴でした。
ところが、
ゴリやんだけが、なぜもてる。
0519 山の牧場
翌朝は山の牧場を散策しました。
「おい、馬がいるぞ」
「そにしても長い顔だね」
「なんでこんなに長くなったんだ?」
0521 馬づら
ちーとばかり話は横道にそれますが・・・、
そう言えば、馬より顔の長い役者さんがいましたよね。
藤田まこと――味のあるいい役者だったけど、数年前に死んじゃった。
この人もやっぱり、飼葉桶(かいばおけ)の中へ首を突っ込んで食事をしていたのだろうか?
そやけど、
普通の人は、食べものに手を伸ばすやろ。
わての場合は、手じゃなくて顔を伸ばしたというケースはおましたな。
0522 上越線
2泊3日の旅も終わり、いよいよ帰りです。
新幹線のある駅まで、もよりの在来線で行きます。
ところがこの駅、無人駅なんです。
生まれて初めての無人駅って、ちょっと不安ですよね。
うそやありません。
上越線(在来線)のドアは手動です。自分の手で開けてください。
それから1本逃がすと、時間帯にもよりますが、次の列車までだいたい2時間待つことになります。
0525 越後の銘酒
というわけで、予定より2時間遅れて、新幹線の駅に出てきました。
日が暮れてしまいましたが、でも後は新幹線ですから、乗っちまえばあっとi間に着きます。
そこで、
「おい、こんなところに居酒屋があるぞ」
「越後の銘酒だって」
「一杯やってこう」
ということになりました。
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